3F
根付・芝山象嵌 展示室
精緻な技にひそむ遊び心と物語性
3階では、日本固有の美術工芸品であり、現代においても作家たちが新たな挑戦を続けている根付と象眼の最高峰・芝山象嵌を和の設えの中で展観。掌に収まる寸法の中に、どこから見ても完結した造形と彫刻を備え、そこには遊び心や洒落心、口元を緩ませる物語が広がっています。
2F
白隠/マイセン/武腰 敏昭・冬樹/山田 樂全・楽全 展示室
白隠 禅画の世界迫力と優しさにあふれた筆致がユーモラスに伝える禅の心
マイセン 磁器の世界東洋の焼物に魅了された王が追求した精巧な技と感性の結晶
武腰敏昭・冬樹 九谷焼の世界九谷焼の伝統に次世代の風を
山田 樂全・楽全 乾漆の世界色彩豊かで温か味のある乾漆の世界
石田満美 皮革アートの世界皮革に蘇る新たな生命
2階では、質・量共に他に類を見ない作品群と評される、江戸時代の禅僧・白隠の書画、18世紀初頭に始まるドイツの名窯・マイセンのバロックから新古典主義の時代に作られた古磁器、九谷焼の名工・武腰 敏昭氏・冬樹氏親子の陶芸作品、そして山田 樂全の名を冠した二代目豊氏・三代目豊子氏親子の乾漆作品をご観覧いただけます。木下館長が公私にわたる縁に導かれて出合った名品の数々です。
1F
鹿見 喜陌 特別展示室
その構図と色彩に 純粋な時がたゆたう
1階の特別展示室では、鹿見喜陌氏の作品の数々を展観。大胆な構図と、拘り抜かれた描線、そして独自の色彩を交差・融合させることで、鹿見氏にしか描くことができない独創的で優しい世界を繰り広げます。日本画の技法を精緻に磨き上げながら、西洋画やグラフィックデザインにも通じる空間処理をダイナミックに取り入れることで立ち現れる美しい世界観。そこには光が遊び、静かな風が流れ、純粋な時がたゆたいます。
B1
鹿見喜陌/ 奥田小由女 特別展示室
命への慈しみを清らかな造形に込めて
地下1階の特別展示室では、鹿見 喜陌氏のサン・フランチェスコ聖堂で模写された『五聖人』やデッサン等を通じて、日本画の新たな地平を求めた鹿見氏の創作の軌跡と、人形作家として日本で初めて文化勲章を受章した奥田 小由女氏の作品群をご覧いただけます。奥田氏の作品は「色彩の時代」と称され、その精緻かつ自由な作風に、東日本大震災以降、命を慈しみ「祈り」が込められるようになりました。奥田氏は、未来への希望や慈しみを込めた清らかな女性像の「ひとがた」に、自身の心や夢そして愛を託し続けています。